話し合い”などと悠長に臨床は時間を待てるのだろうか?心がしょっぱい、そんな話。

ナビゲーターの丸幸 礼子です。

そうそう、良く噛みたいと言う願いに対する、後日談を報告したく思います。

紆余曲折ありながら、少しずつ治っていきます。この紹介は、あくまでもこの症例に対しての報告です。全ての症例に、適応できると、”くれぐれも解釈されない”ようお願いいたします。歯科クリニックの出来事を、私達のフィルターを介しながら、感じた一風景の紹介に過ぎません。そして、私達の働いている現場の紹介と、ご承知ください。何卒、ご理解の程、宜しくお願いします。

報告としてまず、良く噛める(食事が出来る)ようになったと、嬉しいお言葉を頂戴します。

歯科の仕事に携わる人間としては、最大限の評価です。でも、冷静に「あれ?待てよ。」そんな感情も沸き上がります。そんなお話が、今回。

♢これまで治して来た目的と過程と結果は何だったのだろう?(これが、今回の主課題になります)

♢始めて(何年かぶりに)何も気にせず、食事が出来ると言う誉め言葉はありがたい。

でも、私達にとっては、常に目指す当たり前の言葉です。

♢院長はそれを”らしく”と言う言葉で収めます。

ところが様子が変わります。

頭痛・頸の痛みが新たに再発。

いえ、再発と言うべきなのか、新しく問題が出たと言うのか。。。

一度、その事で電話相談が来ます。

前提:新型コロナウイルスの影響もあり、4ヵ月近く治療を中断していました。

:急に頭痛が襲ってきて困っている。併せ、頸も痛い。

:近くの歯医者に行っても良いか?

丸幸困り院長に相談します。

通院には因みに1時間半の時間を要します。脳裏にいろいろな事が駆け巡ります。

治療をお引き受けする前の患者の言葉。

「右膝が痛いのですが、何ででしょう?」

丸幸院長!!」(分からないので、どうすればいいのかSOSを出します)

『何ででしょう?』院長の言葉。「…。院長⁈」(←私の声)

でも模型とレントゲンを見ながら、夜な夜な夜更かしをしていた事を私は知っている。

いつしか膝が痛いと患者は口にしなくなる。そして、次の言葉。

「まだ、左肩が痛いのですが…。」

『何ででしょう?』院長の言葉「…。院長⁈』(←私の声)

それが噛めないのが噛めるようになるに連れ(この間に歯の痛みを取り、根の治療を行い、歯科治療が進みました。)患者の表現は変わって行きます。不思議な経験と言えば良いのでしょうか?或いは、面白い経験と言えば良いのでしょうか。

丸幸は患者に「そういえば、膝は如何ですか?」問いかけた事があります。

患者「え?私、そんな事言いましたっけ?」

「…。(うそでしょ?)」

院長「そうですか。」

これも現場の風景です。院長の表情は読み取れませんでした。そして、その時の私はどんな顔をしていたのだろう。

「左肩の調子はどうですか?」ふと、伺った事があります。

患者「別段、普段と変わりありません。」

「…。」

院長「そうですか。」

これも現場の風景です。院長の表情は知りません。私のその時の表情はどうだったのだろう。

なんなんだ、この会話、思い出すと、何か変!!電話相談が来た際、何故か、こんな会話と診療室での風景が思い出される。悲痛感と言うか、悲壮感というか、とにかく混乱している事だけが、私にも電話越しから伝わる。緊急性を感じたから、急ぎ院長に相談する。完全に私は冷静さを失っていたと今もって、振り返ると思う。

「院長、”近くの歯医者に行って良いか?”そう、聞かれたのですが…。」

「歯じゃなくて、頭が痛いのに歯医者に行くのかい。歯医者に頸が痛いのです。何とかしてください。そうお願いするのかい?対応する先生は、対応に困るよ。窮すとでも言えば想像つくかい。」

あれ⁈私、頭が変かも…。

頓珍漢な事を院長に相談したと思いながら、同じ内容を患者に伝えます。

”あれ⁈”

電話越しといえ、患者も相談事の可笑しさに対してなのか、実際に歯科が対応すべきなのか、何かを汲み取って頂いたのでしょう。あっさりと合点されます。そして、久々に予約を取られます。自然と予約依頼を受け入れながら、再び別の感情が芽生えます。

あれ⁈なんで私、予約を入れたのだろう頭が痛いのに、歯医者の予約…を受け付けた。頸の痛みで歯医者に治療をお願いする⁉4か月間、コロナの影響もあり治療を止めていました。そして、頭が痛くなったから歯科医に来たい?頸が痛いから、口に問題が無いか確認して欲しい。院長には事後報告になる。きっと、そんな要求をされたと報告したなら、怒られるだろうな…俺は歯科医で頭痛外来で活躍されている医科の先生ではない。頸は整形とかが担当じゃないの。口由来か確認しろって、無理筋の話の延長だよ。お前は、何様だ。もう‼こんなリアルなセリフが、報告する前から私の耳に飛び込んでいる。口に異常が無いか診るだけで良いから診て欲しいって、そんな仕事あるのか。次々、私の脳裏に言葉が駆け巡る。俺は、歯医者。歯医者は歯を削って何ぼの仕事だろ。もう、浮かんでは消える言葉達。私は、事後報告であれ、確認すべき事を確認する事にした。そして、院長の前に立つ事を決めた。

色々な感情が駆け巡るな中、思わず、簡易タイプで構成した治療計画書を確認する。右側の歯牙を治療する可能性について、事前に患者には報告を終えていた。院長は、先まで予測していたのだろうか?まさか。私はそう受け止めた。そして、彼は黙って私の報告を受け入れた。

そして予約当日、ロキソニンを飲むと頭痛が落ち着くので、ロキソニンを飲んで凌いでいたそうです。

補助線を入れています。下顎に対し、上顎がどのように見えるか?こんな探り方を臨床では行う事があります。さてその差は?

右に紙を入れます。

噛み合わせの関係が変わり、下顎に対する雰囲気が変化している様を捉えて頂ければ幸いです。こんな視点で、対峙する臨床もあると知って頂ければ、紹介した甲斐があったと言うものです。

「頭がスッキリします。」そんな報告を受けます。

ここに紙の厚みを担保すると、頭痛と頸の痛みが消失しました。何故でしょう?それを暗示する答えは下の写真かしら?

院長⁈と私…。

「何ででしょう?」と返す院長。

治療計画を思い出し、「歯の治療ですか?」と返す私に院長が更に返す。

一番奥の歯の当たりを確認ください。よく見ると一部空間が空いていませんか?こんな事を確認する為、口腔内撮影をする事もあります。ご参考までに。

「スプリントの準備と、ケンサ!!」

「歯の治療じゃないのですか?」と丸幸。

「何ででしょう。上下どちらの歯の高さが足りない?私は、上下のどちらが該当するのか、分からない。もっと厄介なのは、仮に上下とも、不足しているとしよう。この場合、では高さの再現の比率は?私には、想像もつかないよ。」

思いっきり、切り換えされた。驚く事に、院長自身、患者に実際の本格治療に入る前に報告した内容は、まるっきり覚えていなかった。簡易計画書を彼も確認しながら、「あっ、可能性について俺、事前に予測していたんだね。へぇ~。経験を積むもんだね。」彼自身、自ら検討した内容など、何も憶えていなかった。唯、計画書を確認しながら、何かを次々と頭から引っ張り出しているように私には感じられた。

患者はというと、頭痛がシュミレーションといえ消失し、頸が楽になったのか、穏やかな表情をされている。私一人が、テンパっただけ、そんなお粗末な話でした。この患者に関し、これまで治して来た目的と過程と結果は何だったのだろう?感情の高まりと、冷や汗と、顔色は赤くなってみたり、青くなってみたりと、瞬間と言え、相当に私は混乱しました。

長くなりました。㋗今日は収まらないようです。

今回はここまでにします。

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丸幸 礼子

おまけ

≪受付にて≫

「避けていた硬い物、食べれるようになったのね、美味しく感じて。そのせいかしらね。」

そうなのかもしれない。わずかな歯のすり減りが起こした反応なのかもしれない。あんな薄い紙で反応が変わった。でも、そんな単純化した解決モデルを、院長は考えていないのかもしれない。上か下か分からないけれど、あるいは、両方に、ある塩梅で歯の丈を増やすという方法は選択しないのかもしれない。実際は、私には分からない。唯、真剣に計画書を見つめていた。構成した当時の記憶を探っているように私には感じられた。これも、実際、私には分かり様がない。

すり減った事に納得されたのか?それか、私が一人空回りしていた事に気を遣って頂けたのか。患者は優しい言葉を、私にかけて下さった。温かい感謝の気持ちも届いた。安心感を取り戻された感覚も捉えられた。医療に生きる身として、これ以上求める事などおかしいという事も十分に理解している。でも、この言葉が、今日は妙に切ない。まだまだ、私は未熟者です。思いだす度に、色々な感情が芽生え、そう、言葉に置き換えるなら、心はしょっぱい味を思い出す。そんな出来事の私からの紹介です。

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