クリニック勉強会について

なぜ勉強会を行うか?

研修の薦め

“中枢性感作”という言葉をご存じでしょうか?唐突に難しい言葉から入る事に恐縮します。雑記程度の事とは言え、実は大事な事です。神経の解剖学という視点で軽く紹介を行います。痛み情報を脳に伝える神経線維はAδ線維とC線維が代表です。Aδは、素早く明確に痛みを術者に訴える事が出来ます。ところでC線維。ゆっくり、どこが痛いのか明確に分からない中、『痛み』を身体があなたに訴えます。明確に“どこ”と言えない中で、あなたは術者に痛みを訴えなければなりません。
例えば「ムズムズする」「何となく痛い」「痛みの場所が不明確」「浮くような感じ」このような表現はC線維を主体とする問題・原因がある際に患者は訴えとして発します。あなたが無意識にこの表現を発した時、C線維が悪さを始めている証拠かもしれません。
一番厄介な事は「痛みの悪循環」の結果、慢性痛に化けた時かもしれません。
さて、現実を紹介します。Aδに関してはライセンスを取る際徹底してトレーニングを受けます。C線維に関して問われれば、覚束ない。このように私達は捉えます。
この現実を前にする時、日々の臨床の為には自ずと『研修会が必要』です。これが、私達が導き出したクリニックの在り方です。
個性と呼べる代物か分かりません。只、そこに私達の大事にしたい姿勢があるとご理解を頂ければ嬉しいです。

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こすが歯科ではどういった勉強会をやっているのか

研修内容紹介

場違いの取り組みと感じる方もおられるかもしれません。私達は責任を考え直します。2015年から始めます。2~3時間週1回行っています。C線維を紹介しました。学んだ一つを更に紹介したく思います。『慢性疼痛は痛みの悪循環が原因で起こる。』さて、ここで議論が起きます。悪循環の解法が大事ではないかという提議です。今の旬の考え方であり、これを否定する力はクリニックレベルには無いです。詳細は割愛します。『口腔由来の痛みが全身に拡がる事がある。』そんな臨床を経験する側としては違和感を覚える事もあります。悪循環を改善する道が分かれば、新しい展開も生まれると想像する時もあります。大それた事など出来る訳ない。私達の臨床で経験した何かを学会で報告をしていこうと運動を続けています。2016年から行っています。

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学問や学術の研修会の一場面の風景を“少しばかり”紹介しました。ところで、私達は歯を始め器質の一部を扱っています。そこで、取説と言えば良いでしょうか?ここに問題が無いか確認作業を行う必要があるのではないか捉えるようになります。
テーマを決めて進めています。本年の後半(令和元年)は、基本に戻って衛生士部門ではスケーラー(歯石を取る道具の一つ)の角度の持つ意味合いを研究してみようと準備しています。外部講師を呼んでスケーラを更に科学しようといった企画も進めています。歯科医の部門では、歯の削り方の検討を進めています。何故か。
構成上、所定の文字数の中で説明したく思います。ヒトは個々の個性に即した骨形態を持っています。この骨形態に適応する形成(歯の削り法)をすべきで無いかというのが私達の主張です。とんでもない観念を表現しているようですが、実際は教科書に述べられている形成法に準じて確認しているに過ぎません。その精度の向上を研鑽する。
この運動を繰り返す事。それがライセンス者の責任と私達は信じます。