ナビゲーターの丸幸 礼子です。
酸蝕症と言う歯の病気を聞かれた事があるでしょうか?
特徴としては
・歯の先端がギザギザになる
・歯のエナメル質が剥離し、極端に薄くなる。 ・歯に穴が開く ・むし歯のような痛みが生じやすくなる。 ・詰め物やかぶせ物が外れやすくなる。 |
原因としてはPH5.5~5.7以下の酸性環境に長時間、頻繁に歯のエナメル質が晒される時生じます。
歯のエナメル質が溶ける病気です。
外因性としては外から来る酸を考えれば良いのでしょう。
・飲食物由来
・酸性の内服薬
・職業として酸性の仕事環境
内因性としては、体の中から出る酸
専ら、胃酸と捉えれば良いのでしょう。
・反射性嘔吐
・接触障害による嘔吐(拒食症、過食症)
・逆流性食道炎の影響
長時間/頻度が多いと言う条件下でエナメル質が剥離した際生じる訳です。
この患者は歯が凍みる、顎が痛いと言う症状を呈し、来院されます。前医では、スプリント療法を渡されます。
さて臨床では何を考えたか?そんなお話を紹介したく思います。
1度壊れたエナメル質は戻りません。
重篤化の際は、フルマウストレーション(全顎補綴)までを視野にいれないといけません。
ここで、1つの点を着目します。
象牙質の露出は主として、歯頚部レベルに留まっている。少し専門性の情報を入れます。
歯頚部レベルの象牙質の露出の意味する事は、先々歯頚部歯肉に退縮の可能性を持ちます。
ここをコントロールしようと、戦略を練ります。
治療は全4回でした。顎の痛みは取れ、頭痛も取れ、歯の沁みるのも落ち着き。ま、こんな治療成績もありますという事で。方法に関しては、割愛をします。上下にスプリントを採用し、予防と予後の中で如何に歯牙の崩壊のスピードを抑え込むか。それを作戦にします。
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丸幸 礼子