【困っていなくても、Be Here Nowの精神はあるのだろうか?】
ナビゲーターの丸幸 礼子です。
まん防のお陰で、1時間飲みと言うハードペースを体験する事になった私と院長。
院長曰く。
「うちの都知事がいつもの決め事、〈緊急事態宣言〉を嬉しそうに言う為の運動をしていないから、まだマシよ。今の所黒岩知事が、その行動をする予告編としての呟きがない。
こいつが呟くと、呼応するが如く、小池知事が仕事する気になる。次に、嬉しそうに緊急事態宣言だろ?今回はなしで済むのかね。まぁ、キッシー次第だよね。
緊急事態宣言を進言する人に対し、聞く力発揮しなきゃ、嬉しいけど。
それより今は、君らの芯の部分の話だと思うけど…。
どーすんだよ。」
ありゃ、白髭も3杯目に入り始めると、酔いの人に変貌中。酔いの人には、良い人はいないから気をつけなきゃ。院長って、絡み酒の人だっけ?思い出せない。でも、そうだとすると、面倒よね。と内心思いながら、何気に、彼の握るグラスに目が行く。
ありゃりゃ、しかもいつの間に3杯目…。中ならず大と来ましたか。
あたしゃ、嫌な予感しかしないよ。ここまで赤い人に顔が瞬時に変わるとなれば…あたしゃ、早く帰りたいよ。この赤ら顔、さっきまで愛嬌を感じた白髭も、嫌だね、憎ったらしさを感じる始末。
「どーすんだよ。」
ありゃりゃ、このおじさん出来上がってきた!!(のかな?)
私は何度か経験している。
酔っ(ぱらいになった)に入ったと思って適当にあしらうと…。実は真っ赤な見た目と違って、院長の頭がバンバン冴えて、こちらが逆に慌てる体験を。この見当違いで、何度かアタフタした事がある。言うなれば、頭がキレキレの院長の場合、注意をしないと行けない。それだけは、間違いがない。どちらだろう?
”参ったな。”っと思いつつ、ここで返さない事で、説教酒になるのは面倒だと、少し焦りだす。何を答えようかと考えを纏めていると、おじさん、もとい院長は話し出します。決して、嫌みと感じる語り酒ではなく、淡々とごく自然に、私に語り掛けて来ます。
「薄っぺらく捉えてしまう理由は、多分単純。単純と言うか明瞭と言うか…まず、確認しないと行けない事として、端的に人に伝える事は大事でしょう。」
「でもね、端的に伝える背景には、すごく色々な物が隠されているはず。」私はローチと、何故か言葉が被った。それだけ集中していたのだろう、私は。そして、同じ言葉を自然と出した自分を不思議に思った。けれど、彼は、私の覚えた感情はお構いなく話を続ける。
「『そこには、奥行きの深さがあって成立する。』そんな配慮抜きに、表現者が唯、伝えようとする。すると、時に、その表現自体が、嫌みに化ける時もあるでしょう。不快感と感じさせる場合もあるかもしれない。翻って、暴力的と、表現が変貌する事があるかも知れない。」彼は言い終えると、一息を付く。グラスを握り、喉越しにビールを上手に運ぶ。人の感じる感覚は、おかしなものです。白髭が、今度は頼もしく感じ始める。
端的な表現!違和感!この根は単純だった。
フワーッっと感じる表現に対し、どう根が張っているのか。言い方を変えるならば、私は、無意識に、その表現の奥行きを捉えたいと思うのか、或いは、捉えようとしているのだろう。端から奥行きがない表現なのに、ある物と、私が勝手に決め込んで、無理やりにでも捉えようとするから、苦しくなる。
恐らく、そんな所なのだろう。
おじさんは、私が合点した顔を見せたせいか、納得した顔を見せたせいか分からないが、私に、もう一度問いかけて来た。
「どーすんだよ。BE Here Now、この裏に置く言葉。
予防が大事に言われている今、用意しなければ、対応し切れんぞ。お前らの仕事の意味を考えーい!! 以上。」
おじさんは、ビールを飲み干し、働く人の顔を取り戻した私を残して、帰って行った。でも、悪くない。むしろ爽快に近い。
そう言えば、今回のテーマは、男臭さだった。
何故、私らは、勉強や研修を続けているのだろう。院長は、何故、勉強や研究を続けているのだろう。
帰路に就きながら、言葉を思い付いた。
これなら、《Be Here Now》に繋がる。
私らは時代に対し、言葉を用意出来た気もしています。
編集役に見せた。
「ふ~ん、良いんじゃない。
ここが大事にする言葉の仲間に入れてみようか。」
そして、私は院長に問いかけた。何故、今回「男臭さ」この言葉を選び、女性陣に語らせようとしたのだろう、と。そこで、自分なりに思った事を、言葉に変えてみた。
『先生、男臭さの対義語は、女らしさになると思います。男臭さの類義語に男気があるように、確か思いました。この意味は、犠牲を払って人に尽くす気性。そんな意味だと思いました。
院長は時々言います。歯科は女性の感性でやらないといけない。でも、ある時から言葉を足し始めました。それは、私達が心の逞しさやしなやかさを、仕事で発揮する取り組みを、始めてからだと、振り返ると思います。自信も確信もありませんが。』
「ホゥ~、何って言ったっけ?」
編集役は、文章に目を通しながら、下向き加減に私に尋ねる。
『男臭さもいるかもって。』
「そうだっけ❓」
『最初、私達は加齢臭?とか、男性特有の臭いと勘違いをしていました。しかし、どうやら違いました。
Be Here Nowといつでもおいで下さい。
と言うには、相当の努力が求められます。
院長がこの頃、流行のクリニックの表現には【おもてなしの心と言う】表現がある。これに眉を顰めてる理由も、何か、いえ、もしかしたら、なんとはなしですが、私、分かった気がしました。
歯科医療と言うニーズに応えるには、患者の言葉に素直に耳を傾け、でも、時に、優しく、時に鋭く、対応力を付ける以外ない。
これは、変わらない普遍の事実なのでしょう。それには、相当な気持ちの強さが必要です。
そして、それを支える知識と技術が求められる気がします。
先生は、今まで一人でそれを求め、具現化を決め、そうなるよう努力を為されて来たのですか?』これが、その時、私が発した言葉になる。多分。でも、こんな感じの事を言ったように思える。
老眼の眼鏡を外し、そのグラスを拭きながら彼は答えた。
「嫌、そんな難しい話ではないよ。
医療を仕事にしてから、完璧に出来ているか、否かは別に、どれだけ自己満足に浸らないか。そこに、結構、重きを置いて来たの。そんな暇な事をするぐらいなら、むしろ、プロに拘る。プロにならなきゃあ。
それだけを決め事にしていたの。
男なんて、大概は、理念を先行させがちだし、見方を変えれば、理屈先行の奴が多い。と言えるかもしれない。
これって、上手く行かないと、ポッキリ心が折れて、何もかもできなくなる場合もある。
実際、自殺者の割合も男の方が多いみたいだしね。
関係ないけれど、上手く両者の特性を活かせたら、面白い職場になると思った訳よ。
こんなんで良いのかな?
理屈っぽい男の子には、男気を覚えるまで、待つしかないでしょうし。これを端的に言うなら、男臭さなんだけどねー。おいらが思うにはね。
でも、一言いって良い。加齢臭じゃないのだけどねー。参ったね。そう捉えられるなんて。傷つきたいよね。只、日本語って難しいよねー。
男気なんて言えば、女子陣は引かない。時代にそぐわない言葉に、今や下手すると、追いやられてしまったからね。男臭さを、男が表現する分には多分、何とか許されると思っているわけ。今や、パワーハラスメントって、一見すると正しいのでしょうが。見方を変えればとんでもない基準を、渡されたとも思っているのよね。
あたしの立場だと注意をしないと行けない表現って、どうやら沢山あるみたいなのね。男気を強要されたと、国語力が無い人が言い始めたら、ややこしくない?意味は一つしかないけれど、勝手に暴力的な意味合いに捉えられたら、目も当てられない。性的表現にされた時には、目も当てられない。
こんな所にも、性的言動って、国語力が弱い人が言い出さないよう、配慮しないと行けない。そんな感じかな。国語力が弱く、想像力だけが逞しい猛者を、期待して雇用したら、あたしみたいな人間は、間違いなく刺される。そこだけは、何時も気を配らないと行けない。
だから、勘違いさせないように、そして、確実に、仮にそれが緩やかでも構わないから、君らが受け入れやすい環境を整えようとする以外ない。明瞭に伝える力がある言葉って、結構、ジェンダーフリーという概念の前だと、否定されがちになる気がするのよね。気のせいかもしれないけれど。
だから、真意を伝えるには、時間をかける事。割り切って受け止める以外ないのかもねー。」
この院長は、単純だ。発想も単純だった。クリニックにも、クリニックらしさを求めていた。それだけだった。
私達にどこまで活躍出来るか分からない。
でも、こんな事を紹介したくなります。
私達、衛生士の仕事を紹介します。
可憐な笑顔の秘密です。 ピンクは豊潤の証 白さは彩光の口元の証 これを守ることが予防の大切さ その協力をさせて下さい。 |
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丸幸 礼子