歯科医院での治療における必須事項を熟知する患者の賢さの意味
2024/05/31
歯科医院では、患者が治療を受ける前に、必要な書類記入や問診が行われます。しかし、これだけでは治療効果を十分に得ることができません。患者自身が治療に関する必須事項を熟知して、治療に積極的に協力することが、歯科医院での治療において非常に重要になります。本稿では、治療の際に患者が熟知しておくと良いと思われる様々な関係性について解説したく思います。
目次
歯科医院で治療を受けるにあたり大事な事は?
歯科医院での治療における必須事項は、患者の症状や歯の状態を詳しく確認し、的確な治療法を提供する準備を、クリニックサイドと患者サイドの協力で出来るようにする事です。治療の際には、患者が納得した上で進めることが重要であり、情報をしっかり共有することが必要不可欠です。これについて、一緒に考えてみましょう。レントゲン撮影等の初期検査とは別に、炎症と言う視点で紹介したく思います。
そこで、当院が大事している一つ目の項目は疼痛状態になります。この疼痛具合が、炎症の状況把握に大事になる場合があるからです。2つ目の項目として歯周ポケット診査の情報も炎症把握を予測する指標として、とても有効です。
患者の健康状態をの把握も大切になります。
以上のような事柄を把握する事で、歯科医院での治療における患者への対応・応対を滞りなく進めよう配慮させて頂いています。また、各位の求める治療段階(対処・原因・抜本)やその要望で可能か否かの判別をさせて頂くよう準備しております。これは、歯科医師やスタッフが、可能な限りその全てをしっかり把握し実践で反映できる上で用意した方策になります。これによって、患者各位にとり安心と信頼できる医療を提供できるようにしています。
患者が治療前に知っておくべきこと
歯科治療を受ける前に、各位には一つ知って頂きたい事があります。治療を行う医療者である私共と、各位においては二つの契約を結ぶ必要があります。治療同盟と治療契約になります。治療同盟は、相互に信頼関係を結ぶお約束になります。治療契約は、この治療を受けるにあたりこの費用が掛かる事を相互に確認する作業になります。この際、様々な事を確認する事も必要になります。この確認事項に齟齬が無い限り、各位は歯科医への信用を覆さないという決め事になると言えば良いのでしょうか。
ところが、保険制度では、二つの契約は患者が来院した際に既に成立している前提で物事が進みます。従い、多くの場合、具体的に何処に問題がある。その為、このような治療を進めていきましょうといった具合の口頭確認が多いようです。それを担保するのが応召義務の縛りになるようです。この方法では、かかる費用の提示を事前に行う必要はありません。その(治療)行為に掛かる費用が、既に制度設計上、既に保証されています。そして、その事実を各位が合意した上で保険医のいる診療所の門を潜る訳です。従い、保険医が治療契約として掛かる費用の提出をする事は、社会道義上、強く求められている訳ではありません。
他方、自由診療の場合、契約と同盟が常に患者と治療に入る前に結ぶ必要があります。それが、多くの場合事前に、歯科診療所側から治療費の同意と説明がある理由になるのでしょう。
これは、各位を含め、診療所側もストレスを抱えずに済ますための知恵になります。
治療の際、患者各位の協力を得るために
歯科治療において、患者さん自身の協力は非常に重要です。歯科治療は、歯科医師だけでなく、各位の協力で治療成績の良し悪しが決まる側面があるからです。
治療を滞りなく進める上で大事な点は、疼痛のコントロールと炎症のコントロールが一つ挙げる事が出来ます。これについて、少し掘り下げてみましょう。
先ず人として互いに気持ちよく始まり終えるには、挨拶は勿論ですが、治療を始める前に状況の把握。治療を終えた後、当終えた治療の意味合い、出来具合の報告をする事と心得ています。更には、次回の予定をお伝えする事も大事になるでしょう。
対処療法が主の場合、これで十分です。しかし、原因や抜本療法の場合。もう一つ踏み込んだ作業を患者各位と進める必要性があります。それが、正に病態把握の共有になります。何を治すのか、何を治療するのか。これが分からないまま進める事は、同盟関係を進める上ではとても危険になります。
詳細は割愛しますが、情報の共有と確認を先に行い、治療の説明を行う。この作業をとても大事にしています。
このような形で、各位に自身の状態把握する事の協力を求める場合もあります。結果として、当院の場合、一度治療を終えると、その状態を長期維持する方々が多いです。その為、その状況を更に維持できる様に新しい取り組みの準備を現在行っております。共に治療について情報を共有し、協力しあう結果は、確かに 治療成績に関わります。この準備が整い次第、機会があれば紹介したく思います。歯科医師と各位の協力関係が、より効果的な治療が実現する上では大事な事になります。
治療に対して理解を深めて頂く為の方法
歯科医院で治療を受ける患者さんが、治療に対して理解を深める方法としては、一般的には、しっかりと治療内容を説明することが必要と考えられています。患者さんが自分の口の中で何が起こっているのかを知ることで、治療に対しての不安や不信感を解消することができると考えられています。そして、 治療中は、各位とのコミュニケーションも大切になります。
当院の場合、治療内容より病態状況の把握の共有に力を入れています。治療内容は、平易な言葉を私達が駆使しようとも、患者各位にとり専門性の高い歯科技術論に陥りがちと承知しています。
それより、何を治すのか。ここを明確にする作業に重きを置いています。この方が、各位にとっても、ゴールに対する位置づけを把握しやすいと知っているからです。
私共は、インフォムドコンセントの前の作業に重きを置いています。問題把握を各位が取れれば、方法論の内容は要旨で十分伝わる。ここが大事と考えています。問題把握の共有にこそ、治療に対するモチベーションへ発展する訳です。これは、各位と信頼関係が深めたい。より良い治療を提供したいと取り組み続けた結果、築き上げた方法になります。
患者情報が治療結果に与える実際とは?
患者情報が治療結果に与える影響は非常に大きいです。歯科治療においては、各位より受ける情報が大事な指標になります。これにより、歯科医サイドの思い込みで治療が進む事を防ぐ大事な過程です。歯科医が見落としている現症が、各位から発する言葉のお陰で見落とす確率は、相当に下がります。
疼痛感覚、咬合感覚、装着感覚、嚥下感覚、機能感覚。これなどは、各位より発せられる言葉から歯科医は掴む事が出来ます。そして、それに対応する上で、私達は、各位の口腔の健康状態をよく理解する事に迫られます。
もし、あなたが様子を見ましょう、為れますという言葉を頻繁に聞く事があるなら、それは、歯科医サイドのあなたへの関心が低い事を意味するか。その言葉に対する技術が不足している事を意味するのかもしれません。
治療の効果を高め、将来的なトラブルを未然に防ぐ上では、患者情報は、歯科医にとり宝というべき指標です。一緒に取り組むとは、こういった人としての作業に、案外隠されているのかもしれませんね。