歯根膜炎とは?中枢神経感作や症状・治療法の解説
2024/06/02
歯の痛みや腫れの原因となる歯根膜炎について、症状、治療法について解説します。歯の根元にある歯根膜炎は、歯が抜け落ちてしまう恐れもある重要な病気です。症状には歯の痛みや圧痛、腫れ、または膿の排出などがあり、適切な治療が必要です。治療法には抗生物質の投与や、炎症部位の手術などがあります。今回は、別の捉え方を中枢神経感作と言う側面で解説を試みたく思います。
目次
歯根膜炎の一般的捉え方は。
歯根膜炎とは、歯の根っこにある歯根膜が炎症を起こす状態と捉えられているようです。まず、歯根膜の解剖学的位置関係を整理してみましょう。歯根膜は歯を支える大切な部分であり、歯の保存を行う上で、重要な役割を担う組織です。歯根膜炎は歯の根っこ(先端)に限局して起きる炎症と限定するものではなく、歯に接合している歯根膜が存在する領域対し起こる炎症です。 歯根膜炎は、主に虫歯や歯周病などの細菌感染が原因、別に、歯ぎしりやかみ合わせの不具合が起点に、歯に加わる力が強すぎることで炎症が起きると言われています。 歯根膜炎の症状は、歯に感じる痛みや歯茎の腫れなどが代表的な症状です。ところで、歯の神経が痛んでいる場合。冷たいものや甘いものを食べたりすると違和感を感じることがあります。歯根膜炎でも同様に違和感を覚える場合もあります。歯根膜炎が進行している場合は、歯が揺れることがあります。 歯根膜炎は、早期に治療を行うことで歯を救うことができると考えれられています。治療方法は、状態によって異なりますが、抗生物質や根管治療などが行われ、重症化した場合は、歯の抜歯選択が一般的な捉え方のようです。
中枢神経感作と歯根膜炎
中枢神経感作とは、歯科治療において非常に重要な概念の一つです。歯の痛みを引き起こす原因として、虫歯・歯周病などの外因性だけでなく、中枢神経感作が考えられます。中枢神経感作とは、神経系の異常により痛みの閾値が低下し、極めて弱い刺激でも痛みが出てしまう現象になります。歯根膜には、激痛に感作する神経線維があります。そして、違和感のようなボンヤリとした刺激を感作する神経線維もあります。これらの感作系の性質を知らない場合。最初の治療選択において、抗生物質投与。根管治療選択。抜歯の選択と方向性として些か異なる方向の治療選択が為される事があります。例えば、排膿を伴う炎症の際、消炎・鎮痛の為に抗生物質の投与は必要です。歯髄炎の場合、根管治療の選択は当然です。抜歯選択は、重度に罹患した歯周病の歯牙に関してはやむを得ない処置になります。中枢神経感作系が働く歯根膜炎は、歯根膜に対する炎症を制御する事を第1選択にする事が重要です。それは、歯根膜炎の症状は、細菌感性に伴う症状、歯髄炎、歯周炎と類似した現症を呈すからです。その事実が、臨床上の判断を難しくさせます。歯の治療において中枢神経感作症状が考えられる場合は、過剰診療を避けるために、専門知識を持った歯科医師や歯科衛生士に相談することが一つの方法かもしれません。
歯根膜炎の症状?
歯根膜炎とは、歯茎に埋まっている歯の根の周りにある骨周囲組織の炎症という見方も出来ます。歯根膜炎は、歯や歯ぐきの痛みや腫れ、中枢神経感作の影響から発生する熱感・頭痛、歯を触ると鈍い痛みを感じる。重い痛みを感じると表現する場合もあります。歯が動いたり、歯と歯茎の間に膿がたまったり、特定の食べ物の食べ方が痛いと感じたりすることもあります。歯根膜炎の原因である、歯根膜自体の炎症を取らない限り症状は中々落ち着きません。虫歯や歯周病、古い詰め物からの感染という診断に問題が無ければ、その処置自体に齟齬が生じる事は考えにくいです。しかし、歯根膜炎の場合、その診断に問題があった場合、疼痛が長期化する場合があります。また、疼痛に耐えられず、不要な抜歯選択に迫られる事もあるかもしれません。それだけ、歯根膜炎は難しい病名です。そして、保険適応病名でないこともお伝えします。
歯根膜炎の治療法とは?
歯根膜炎は、歯の根の周りの組織が感染し、炎症を起こす病気です。歯を支える歯根膜が痛むため、激しい痛みや腫れ、歯の動揺などが症状として現れます。治療法としては、まずは原因の歯周病菌を取り除き、感染を治療します。これには、抗生物質の内服や局所的な薬剤の使用が行われます。歯根治療を行うことで、歯の内部にある歯髄・神経を除去し仮歯や治療用の充填材を詰め込みます。そして、歯の外側に口腔内からアプローチして行う手術的な歯根膜炎治療もあります。このように、歯根膜炎治療は、症状に応じて適切な治療法を選択し、早期治療を行うことが大切です。 歯科医院に診察を受けることで、適切な方法で歯根膜炎を治療できます。
歯根膜炎を予防する方法はある?
歯根膜炎は、歯を支える歯根膜の炎症で、歯周病や歯の根っこの感染が原因となる病気です。歯根膜炎が進行すると、歯が抜けてしまうこともあります。専門の予防法を持ち合わせている歯科医院に相談する事が大切でしょう。慢性期なり疼痛が無い場合、専門の機器で対応が出来ます。しかし、急性期、或いは疼痛がある際は、専門の技術体系を要求されます。それを、持ち合わせている歯科医に相談する事が大切です。但し、保険病名扱いではないので、自費扱いの治療になります。