咬合と顎関節症の真実-歯科医院業界の専門家が解説する
2024/06/01
咬合と顎関節症について、漠然とした知識を持っている人は多いかもしれません。しかし、歯科医院業界の専門家によれば、咬合と顎関節症には実は深い関連があり、正しい知識を持たずに放置すると深刻な問題を引き起こすこともあるとのことです。本記事では、咬合や顎関節症について正しい理解を深めるために、専門家が解説する別のと捉え方についてお伝えします。
目次
咬合の重要性と隠された影響
歯科医院において、咬合の重要性は非常に高いと言えます。咬合とは、歯の上下の噛み合わせのことであり、噛み合うことによって歯の負担を分散させ、顎関節の調整や咀嚼機能をサポートしています。また、咬合が不良な状態になると、歯のすり減りや歯周病、顎関節症、頭痛や肩こりなど、様々なトラブルを引き起こす原因になると言われています。これは、メディアベースで時折、散見します。
ここで、考えて頂きたい事があります。歯並びが一見よくても、様々なトラブルを抱える方がいます。そして、歯並びが悪くても、トラブルを抱えない方もいます。歯並びが誘発する直接原因でないならば、歯並びを治せば、トラブルが治る。この論法が成立しなくなり、おかしな展開になります。
更に言えば、かみ合わせや咬合状態が悪くても、トラブルを抱えない方もいます。トラブルを抱える事を障害を持つ。このように表記も出来ます。
同時に、咬合状態・かみ合わせの状態が悪い、或いは不良の状態の場合の方がトラブルを抱える確率は高い。整理すると、咬合形式やかみ合わせの様式で必ずしも障害を受ける訳ではない。そんな側面を知って頂ければ良いと思います。
顎関節症とはどのような症状が生じるのか
顎関節症は、顎関節の周囲に炎症や損傷が起こることにより引き起こされる病気です。これも先の話に沿えば、障害を持っている事になります。顎関節周囲組織に障害を持つ。このような言い方が出来ます。
先の話の展開になりますが、歯並びを治せば顎関節の障害が治る。こういった、展開で納得する事は実は危険であったりします。逆に、治療前よりも治療後の方が、即ち歯並びが揃った治療後の方が、上手く噛めなくなった。こんな事もあり得ます。一つ整理しましょう。この障害疾患は、多くの場合、歯ぎしりや噛み合わせの異常によって引き起こされると考えられています。
ここで、注目する事は、嚙み合わせの異常と言う捉え方を向こうに、歯並びを整えれば良いという風潮が先に走っている点になるのではないでしょうか。顎関節症にかかる障害は、時に、日常生活に支障をきたすこともあります。
歯科医院での診査は、患者各位に対し咬合状態に問題があるか、無いかと言う視点で診る事が重要であって、歯並びを中心に診る事でない。この点を、気を付けると良いと思います。
障害の発生意味
トラブルを抱えるという障害で、口腔内における疾患ならば、顎関節症は有名でしょう。顎関節症は、放置すると症状が悪化し、日常生活にも影響を及ぼすという所までは、社会的に認知が得られつつあるかもしれません。
そこで、放置する事で起きる現症の整理をする事の方が、冷静になる上で大切かもしれません。
先の紹介の延長で、理解の促進の為に紹介するならば、様々なトラブルの中、筋・神経系の症状は、今は専ら筋・筋膜神経性疼痛として括られて点を知る事だ思います。*制度設計上、保険の解釈の顎関節症は、筋・筋膜神経性疼痛症は起きていない前提に立っています。即ち、保証している範囲が狭い事を知られてください。
この事実を触れず、悪化するという文言の使用は、いらぬ恐怖をあおる気もします。寧ろ、筋・筋膜神経性疼痛が、出世魚の様に身体に波及する場合がある。そして、その際たる疼痛の最悪版が線維筋痛症になる。
このような背景を少しでも知って頂ければ良いと思います。
感作系の意味合いと、配慮を抜きの歯科治療の意味
歯科医師が行う咬合の調整は、一般的には歯のかみ合わせを整えることによって、不調和を解消を狙います。しかし、この行為によっても感作系が働き、逆に状況を悪化させる事もあります。疼痛系が活発な際は、如何にその感作状況を制御するか。ここに、着目する方が大切でしょう。 咬合調整が効果的なのは、日常生活にも影響を与える健康上の効果があるからと捉えられています。しかし、見方を変えれば中枢神経感作が起きている状況での、咬合調整は逆の効果を発揮する場合がある。歯科医師に、中枢神経系感作に対する知識があるか、確認される事。そして、納得いく紹介が為されるか。こんな視点で、歯科治療に対し挑むと、歯科医の専門域の理解が拡がるのかもしれません。正しい噛み合わせを維持することが、健康的な生活を維持する上では必要なことである事は、間違いないでしょう。
歯科医の専門性を良く把握されてから、治療をお願いする。これも一つの知恵かもしれません。
予防と対策について
歯科医院において、予防と対策は重要なテーマです。中枢神経の感作系と言う視点では、歯根膜のコントロールが、隠された課題になります。
歯を健康に保つためには、虫歯や歯周病などの疾患を予防することが必要不可欠です。そして、歯周組織で最初に影響を受けるのが歯根膜になります。この歯根膜に対し、歯科医院側がどれだけ適切な予防法を持ち合わせているか。これが、感作系の働きを起こしにくい環境を維持する上で大事な予防課題となります。
予防と対策は、歯科医院の役割のひとつである事は間違いありません。どの診療所も、患者各位にの健康を守るために最大限の努力をしています。
ですが、歯根膜への予防となると、専門的な知識とトレーニングが必要になります。歯根膜炎との対峙法をしっかりと持ち合わせている歯科医に相談する事も一つの方法かもしれません。