こすが歯科医院
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”治療には色々な考え・理念・哲学がある。そんな紹介。でも大それた事ではない”の巻

”治療には色々な考え・理念・哲学がある。そんな紹介。でも大それた事ではない”の巻

2021/01/11

ナビゲーターの丸幸 礼子です。

前回の続きです。

院長に何故、minimum preparationと予防と言う考え方を治療の根底に採用したか尋ねました。

♢上の歯の(対合)やられ方を見て欲しい

折れた歯が、見て取れると思います。顎のスライド如くの動きから、前医は、虫歯の治療で留めたのか?本来は、補綴対象の歯となります。院長は10年近く(患者記憶に従う)このままで、その間、問題なく過ごせた事を確認します。それが故に、補綴歯を最小単位に絞り、壊れにくい環境作りを優先する指針を立てたようです。

♢仮にFULL補綴を選んだとする(上の前歯の補綴処置をせずに残っている歯牙を指す)

♢まともに噛んでいない中、次に崩壊が進むとしたら、上の歯になる可能性が強い(この運動性の特徴は、前歯の切縁をスライドする動き形式ー偏位するー顎運動状況を改善せずに進めた場合)

♢下の奥歯を仮にFULL補綴にしたら、良く噛めるようになる分、上の歯の崩壊が進む可能性もある(咬合条件で鑑みると、咀嚼効率を上げる視点も必要かもしれない。でも、スライドする顎運動下では、別の問題が生じる可能性がある)

♢タイミングを間違え(臨床サイドが気が付くタイミングの前に)仮に顎運動誘因のトラブルを抱えたら、前歯にトラブルが改めて生じる可能性がある

♢セメンティンの問題が、もっとあからさまに発展した時、どうするか仕切り直して考える方が、逆に安全に運ぶ可能性が高いと判別した(歯を支えるセメント質の事。詳細は何時か、説明するかもと言った所で…御免なさい🙇)

上下の対咬関係の左右差を見た時、有利・不利で捉えないと、まずいと思った。

美味しく食事出来て、貪り(むさぼり)喰えて、元気が保てる。それには、どうすべきかと、捉え方を変えた方が良い気がしてさ。いつも理想を目指せばいいという訳ではない。その人のニーズだってあるだろうし、どれが一番患者利益が高いか、考えないと行けない気がする訳でさ。今は、patient of doctorの時代。昔はdoctor of patientの時代。患者利益の中で、最大限上手く行く方法を模索する事。これが一番じゃないかな?無論、その後、歯が壊れても顎位を担保している限り、教科書通りに行くわけじゃないか(教科書通り進められるという事)。なら、顎位の保全を掛けられる最小限の治療に済ます事、これを目指す事にした訳さ。


學校では、インフォームドコンセントの重要性を学んだ。説明と同意という奴だ。うちの院長は、誤解を恐れない言い方を選ぶなら、あまりインフォームドコンセントには重きを置いていない気がする。むしろ、インフォームドコンセントに入る前の作業に重きを置いている気がする。

治療として簡単な症例は、インフォームドコンセントから確かに、そして間違いなく、ここから入る。でも、難しく、簡単な説明で済まない患者には、情報の共有や確認から入る作業を彼は、重要視します。

その答えは簡単だ。

説明にしようにもあまりに(口腔内・病態等の)状況が複雑な場合、どのように複雑なのか、どうして複雑になっているのか。ここを双方(患者とクリニックサイド)に共有し確認しなければ、説明なんて幾ら話しても、成立しない。文字だけで起こす時、読み手は混乱されるだろう。それを承知で丸幸は記載しています。編集長の許可を貰った際は、具体的な事にも挑戦したく思います。さて、続けたく思います。ただ、歯が壊れている時と、顎位・咬合が壊れている場合は、話が変わるとでも言えば良いのでしょうか?この顎位・咬合が壊れている際、物事を慎重に運ばねばとんでもない状況に患者を招待してしまう。更に、専門的な用語で心苦しい側面もありますがupperfoward posturalなどになっていると、もっときつい。姿勢位という奴に属す用語だ。私は、院長と違って受け売りだから紹介できるネタなどあり様がありません。でも、情報の共有・確認を行える時、実は、インフォームドコンセントが異常にスピーディーに進む事実も経験上、知っています。だから、彼が重きを置いていないという表現を用いたくなる。相当に、患者と行う(ここでは、この表現を用います)情報の交流を、傍から見ていると大事にしている気がしてなりません。


*これについては、ここに来られている患者各位の主観に所属する物と承知しているので、私の意見は、一衛生士の見地という程度で捉えてください。


話を戻していきます。彼は私に語り掛けます。

思い出そう。元々の主訴を。☞なるべく最小限で、治る物なら治して欲しい。それが叶わない場合は、受け入れます。

で、予防で定期的に追って、新たな問題が生じたら、再度治していけばよい。一本の道さえ用意しておけば、問題はその道上で起こる訳だから、その都度治す。そんな口腔環境にまで、持って行けばよい。そんな方針を立てたから、最小単位での治療を組み立てられたのじゃないかな。毎回、こんな具合に進む訳ではないけれどね。

そうね、5~6年後か、それ以上の時が過ぎてから、勝負をかけるのもあり(上手く管理が運んでいたら、その限りではないでしょう)と思ったんだ。

しっかり咬合出来れば、そう簡単に壊れない。

勤続疲労とバランス、それに患者の経済を考えて、対処で留める方が上手く行くと判断したんだ。

向かって左側の変色している歯の一部分。ここが、ポッキリ😳折れます。ここを、一旦合わせて、口腔内写真を撮りました。切端咬合(あるいは、軽度の反対咬合)と表現します。

 

左側の歯は差し歯です。と、同時に咬合環境が変わっていることを理解いただければ嬉しいです。歯が全体的にしっかりと咬合していませんか?

先欠の問題で乳歯も残っている。(乳歯がそのまま残っているという意味)で、顎位の安定を保つ上で、アタシの経験もあるけれど、冒険はしない方が良いと考えたのよね。(先生によっては)別の見解もある(を持って、治療に臨む場合がある)症例だと思うよ。

治療において、この方は原因療法と対処療法の間ぐらいが(口腔内)状況と(本人の)主訴から、適当と思ったって所かな。。。

「適当?」(思わず呼応してしまった、丸幸です。)

難しいよね。例えば前歯の関係。

ここらも、理想と言うと、もうちっと何かしたいよね。

でも、咬合的な安定から見たら

前歯の関係は安定してませんか?そして、審美的にいかがですか?でも、うちの院長はあまり審美に興味を持っていないと感じるのが、玉に瑕なのかな…って、常日頃思う丸幸でした。でも、これぐらいに仕上がらないと、認めないヒネクレ者の彼でもあるのです。

無理しなくても良いのかなって思う訳よ。(前記部分の続きの会話です)

作戦上、義歯で行こうと処置を決めます。一番奥が人工歯です。デザインは、(院長より)紹介不可ということで、分からないようボカシています。🙇正面向かって左側が、補綴をした前歯になります。

咬合した状態です。上顎の最後臼歯が人工歯です、入れ歯のデザインはボカシてあります。ただ、着目して頂きたい事は、下顎は、一切手を加えていない事。次に、咬合としては、実際は理想咬合という価値観とは、明らかに一線を引いている事。次に、具体的にどこという記載は行いませんが、下には1本インプラント処置も行われています(前医によるもの)。実際、当院では何ら下顎右側には手を加えていません。咬合形式は、下顎の構成も実際は、多分に影響をしますが、今回は、顎位の保全と高径の回復に重きを置き、最小単位の処置しか行っておりません。

アタシら形が残る医療じゃない。そして、その形が、後々、いろいろな悪さをする場合がある。

「悪さ?」(私のセリフー丸幸)

そう、恐いで、例えば、予防。これが上手く運んでいる時は、気分は名医。それが、全然上手く運ばず、見る度に悪化しているとしよう。何が原因だろう?処置の何が悪かったから、(理由を考えながら)こうなったのだろう(と、推察をする)。違う、別の要因がある筈(理由を一生懸命考える時は、こういった思考になると院長が申していました)。それは、どれ?(原因を探り続ける際の心の葛藤という訳です)って、嬉しくない心のループが続く訳よ。

悪さの性ーsaga(意味とか、誘発する要因の事を指しているのだと思う)を知らなきゃ、自分の治療した患者の予後を見続ける。こんな怖い事、実際には無い。

この経験を持った時、多分歯科医は、恐らくだけど、2つに分裂せざるを得ない。私は、直感的にそんな事を思った。いや、感じた。(それでも、予防に拘るか。予防はそこそこ、あるいは、放棄か…)

この分裂に関しては、又にしましょう。

「しかし、まあ、今回はこの症例に関して突っ込むね。」と、院長。

「え!まあ…」と、答えた丸幸でした。

そして、彼は仕事に戻る。

私も、この症例に関しては、これくらいの紹介にしたく思います。(気が向いたら後、1回くらい試みるかも。)

長くなりました。

1つの症例にも、実は沢山の臨床側の思案がある事を紹介したくなり、ここまで走ってみました。

*minimum preparationの意味を曲解しすぎと、院長より注意されました。実際は、最小限の削除量という意味合いです。最小単位でこの患者は攻めよう(治療をしようという意味)という打ち合わせの際、理解を則すために彼が、用いた『ま、minimum preparationみたいな感覚だね。』という表現を真に受けて、ここまで文章構成を続けていました。実際アップ終えたものもあったので、このまま表現を続けよう。構成もしっかりとしているから、という事で、最後まで走ってしまいました。どうぞ、読み手及び患者各位に於かれましては、定義を勘違いなさらぬようお願いします。申し訳ございません。

しかし「院長も途中で気が付いてよ。(編集役は院長)私、衛生士よ~(# ゚Д゚)、馬鹿を曝け出させないでよ~ああ、恥ずかしい。」と叫びたい丸幸でもありました。読まれた際は、どうか大らかな気持ちで受け止め、流していただければと、切にお願い申し上げます。心より、お願いします。🙇(御免なさい、そして、よろしくお願いします)

お付き合い頂き、ありがとうございます。

よろしければ、時々覗いてください。アクセスが増えている事が分かると励みになります。

丸幸 礼子

仮に、動画のアップを上手に出来たら(出来るようになったら)もう一度、紹介するかもしれません。閉じて開ける際、前歯の咬耗部に沿って、顎が偏位をする訳です。(顎が、スライドするように閉じると表現をすれば良いでしょうか)ところが、高径を回復すると、開閉口が一方向に収まる。『顎位の保全』この言葉を選択した理由があります。これは、実はここに着目をした院長視点を、私なりかもしれませんが(私が)感じ、そして(私が)理解した中で、お伝えする上で(私が考える)最善の表現として選択した言葉になります。(”これなら!”理解が頂けると思った言葉を使用して、拙いと思いますが文面化に挑戦したという訳です。どこまで伝わったかは分かりませんが、何かを感じて頂ければ嬉しく思います。)

◇顎の偏位が収まる事は、シュミレーションで先に行い、患者と共に確認しました。

◇実際の治療は、前歯と入れ歯と、併せ臼歯部1本の治療を行っています。

◇顎位保全と長期予後を担保するため、患者と共有した情報から選択した治療となります。(最小限で願わくばお願いしたいという言葉より。それが、可能であるという院長の見立てから、治療が始まります。)

◇今回の処置は、顎位矯正と審美治療(前歯1本)と、補綴治療(入れ歯と臼歯部1本)の組み合わせで終えた症例となります。

◇勿論、検査は事前に行い患者のお求めが可能か否か。また、シュミレーションにより具現化できるか、判別作業は行っています。予め承知おき頂けると、幸いです。

◇顎位矯正に関し、今回は0円で行っています。入れ歯のみで顎位の変更が可能と判別出来た為。解説を加えると、高径の回復で、顎の偏位は消失。切端(或いは、軽度の反対)咬合も回復。それが理由となります。そんな現症を、私はシュミレーションと、実際の治療で垣間見る事が出来ました。

◇補綴に関してですが、今回は精度が大事という事で、保険の範疇という方法は紹介できませんでした。その理解の上、治療が始まりました。60年前の精度表現と、現行の精度表現の差異とご理解給われれば、幸いです。

こんな治療も当院では行っていますよ~。といった程度の感覚で読んでいただけたら幸いです。あくまでも、歯科のブログですので、歯科という世界からは離れません。あ歯科(しか)らず。うまく落ちません。でも、あくなき表現の研究を行い、また、何かを紹介できれば良いな~って、思っております。よろしくお願いします。🙇

 

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